センター活動報告 :: コミュニティ :: LOVE・アースふくい - 福井県地球温暖化防止活動推進センター

福井県地球温暖化防止活動推進センター「LOVE・アースふくい」のサイト。地球の未来を考え、福井から低炭素社会づくりの舵を切りましょう。

エコ宣言をしよう!

エコ宣言とは、エコな活動をすることをあらかじめ宣言し、その実施を積極的に行なう運動です。
宣言した後はそのエコ活動を実践し、実際の実現状況を後日報告することで、エコに対する意識を高めていくことを目指します。
「有言実行」をモットーに、地球にやさしいこと、始めませんか?
地球の未来を考え、福井〜低炭素社会づくりに舵を切りましょう。
LOVE・アースふくい/新着情報LOVE・アースふくい/イベント情報LOVE・アースふくい/活動支援LOVE・アースふくい/再生可能エネルギー + 電気自動車普及情報センター事業LOVE・アースふくい/ストップ温暖化提案LOVE・アースふくい/コミュニティ
福井県地球温暖化防止活動推進センター
住 所〒910-0004
福井市宝永4丁目13-4
TEL0776-30-0092
FAX0776-21-1261

weblog

2019年度(平成31年度)「日常生活に関する温室効果ガス排出実態の調査・分析業務」

2020/2/28(金)

環境省 2019年度(平成31年度) 地域における地球温暖化防止活動促進事業
「日常生活に関する温室効果ガス排出実態の調査・分析業務」において、
福井県地球温暖化防止活動推進センターが作成した報告書を公開します。

1. 目的

福井市の一般家庭電気使用量が全国一であることの特徴分析と 2012 年以降に増大している実態分析による節電(CO₂削減)に向けた課題を抽出する。 
調査結果と節電ポイントを公表することによって、今後の節電(CO₂削減)に役に立つ提案を行う。 

 

2. 調査データ 

2005年~2018年の年次家計調査と2007年と2017年の月別家計調査における、それぞれ下記の7市のデータを調査した。 

千葉市:太平洋側、東日本、首都圏の都市として選定 
新潟市:北陸地方で都市ガスの依存度が高い都市として選定 
金沢市:北陸地方で電力会社も同じ都市として選定 
福井市:当該都市 
津市:太平洋側、東海地方で地方都市として選定 
神戸市:関西地方、大都市圏の都市として選定 
松江市:日本海側、気候が比較的似ている都市として選定 
 
家計調査のデータの取り方 
政府統計名:家計調査 
調査の概要:家計調査は、統計理論に基づき選定された全国約 9 千世帯を対象として、家計の収入・支出、貯蓄・負債などを毎月調査しています。 
提供分類 1:家計収支編 
提供分類 2:二人以上の世帯 
表分類:<品目分類>1 世帯当たり年間の支出金額,購入数量及び平均価格 
統計表名:都道府県庁所在市別 
 

3. 分析方法

総務省家計調査のオーダーメード集計制度を活用して、年数経過や他県との比較を含めてクロス集計で分析した。特に、オール電化世帯と非オール電化世帯の比較をクロス集計で実施した。 
調査、分析は、福井大学井上研究室との共同で実施した。

 

報告書

報告書はこちら。

 

平成30年度「日常生活に関する温室効果ガス排出実態の調査・分析業務」

2019/2/10(日)

環境省 平成30年度 地域における地球温暖化防止活動促進事業
「日常生活に関する温室効果ガス排出実態の調査・分析業務」において、
福井県地球温暖化防止活動推進センターが作成した報告書を公開します。

調査・分析の目的

福井市は一般家庭の電気使用量が全国一であり、福島原発事故時の節電以降電気使用量が増え続けています。その原因をつかむ調査を行い、節電ポイントを分析します。
調査結果と節電ポイントを公表し、今後の節電(CO₂削減)に役に立つ提案を行います。

 

●総務省家計調査データに基づくCO₂排出量の実態調査

平成27年度調査において、福井市の電気消費量が全国一(2015年家計調査年報)であることに対する分析を一定程度行ったが、さらに、他県との比較やその他特徴を調査することによって、電気使用量の多い原因を探り、福井県内の一般家庭におけるCO2排出量削減の方法を探るために実態調査を実施した。

 

●平成28年~30年うちエコ診断による家庭の温室効果ガスの排出について

福井県地球温暖化防止活動推進センターが平成28年度から平成30年度までに福井県内の家庭を対象に行った「うちエコ診断事業」から得られた家庭の温室効果ガスの排出に関する解析結果を記載する。
診断件数は平成28年度100件、平成29年度100件、平成30年度31件の合計231件で、事後調査票回収は150件であった。(回収率65.2%)(平成30年12月まで)
※平成28年度、29年度は福井県「LOVEアースふくい強化事業」として実施。

 

報告書はこちら。

 

平成29年度 地域における地球温暖化防止活動促進事業
家庭のCO2排出量実態調査
~自家用車利用の実態と今後の可能性について~

2018/2/23(金)

福井県地球温暖化防止活動推進センター
(NPO法人 エコプランふくい)


第1章 はじめに

日本の総人口は、総務省および国立社会保障・人口問題研究所によると、2008年の1億2,808万人をピークに減少しており、本格的な人口減少・少子高齢化社会が到来していることがわかる(図1.1)。
福井県内の市町の2010年と2040年の人口増減数においても、増田の報告(表1.1)の通り、大幅な人口減少が見込まれており、高齢化の進行、人口密度の減少、交通弱者の増大等に備えた新たな交通政策、都市政策が急務であることがわかる。

 

第2章 近年の気候変動をめぐる動向と福井県の自動車保有台数

国連気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、以下IPCCという)によって、第5次評価報告書統合報告書(IPCC2014)が公表され、各国の地球温暖化対策の取り組みがより一層求められている。また、2015年12月には、気候変動枠組条約締約国パリ会議(COP21)で世界の195か国とEUが「パリ協定」を採択し、世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2°C未満に抑えるとともに、1.5°Cに抑える努力を追求することを世界共通の目標として合意した。
国立環境研究所によると、家庭部門の二酸化炭素排出量は1990年度に11.2%であったが、2015年度には14.6%、2016年度の速報値では14.7%と約3.5%増加している(図2.1)。一方、運輸部門(自動車・船舶等)については、17.4%から18.3%とほとんど変化がみられず、2016年度の速報値でも17.6%となっている。これに対し、2015年度の家庭(一世帯当たり)におけるCO2排出量の割合をみると、自家乗用車から排出される割合が28.6%となっており(図2.2)、家庭のCO2排出要因のうち自動車の占める割合が高いことがわかる。
自動車検査登録情報協会の資料によると、福井県は1世帯当たりの乗用車保有台数が1.749台であり全国1位(表2.1)、県民1人当たりの乗用車保有台数は7位である。さらに、福井県地球温暖化防止活動推進センターが平成25年度から平成28年度に実施した家庭のCO2排出実態調査では、ガソリン使用によるCO2排出の割合が高いことがわかっている。

 

第3章 調査概要

(1)目的

本調査は、福井県民の自家用車利用実態とそれにともなう課題の抽出、および今後の可能性について明ら かにすることを目的として実施する。アンケートを用い以下の 3 点を中心に調査し、自動車による CO2 の 削減方策、自動車からの転換方策、社会的気運の醸成の必要性等について検討する。
1どのような状況において、どの程度利用しているか。 2公共交通や自転車等への転換を促すためには、何が決め手となるか。 3将来の世代と地球温暖化を見据えた上で、交通対策についてどのような考えを持っているか。

(2)協力機関

本調査の実施においては、調査用紙の設計、調査の実施、集計・分析等の一連の作業について、以下の研究機関に業務委託し、内容や実施について協議しながら連携して行った。
委託先:福井工業大学工学部 建築土木工学科 交通計画研究室 代表 吉村朋矩氏

(3)実施方法

  1. 調査期間:2017年8月30日〜11月16日
  2. 実施場所:県内の公民館、研修会場、カーフリーデー等の環境イベント、計10ヶ所(図3.1)
  3. 調査対象:県民18歳以上65歳未満(非高齢者)200人、65歳以上(高齢者)50人
  4. 有効回収数:非高齢者221票(有効回収率96.9%)、高齢者63票(有効回収率67.7%)
  5. 調査内容:巻末アンケート調査票

 

第4章 調査結果

(1)回答者の個人属性

①年代・職業・送迎が必要な家族の有無
回答者の年代、職業、送迎が必要な家族の有無について図4.1に示す。
年代では、40代が26.4%と最も高く、30代が22.2%と続いている。非高齢者と高齢者の割合は、非高齢者(18歳-64歳)が77.8%であり、高齢者(65歳以上)が22.2%であった。このうち、前期高齢者(65歳-74歳)の割合は13.4%、後期高齢者(75歳以上)が8.8%を占めた。
職業は、自営業が7.9%、被雇用が56.8%であり、これらの98.9%は非高齢者であった。また、学生は4.0%占めた。無職は21.2%であり、そのうち84.7%が高齢者であった。
送迎の必要な家族がいる割合は38.9%であり、父親や母親の通院や買い物の送迎、子どもの幼稚園、保育園、習い事などの送迎が多く見受けられた。また、配偶者のための送迎や孫の学校までの送迎といった記述もあった。これらの代替手段としては、少数の記述であったが、バスや自転車、タクシー、子どもの友人の保護者の送迎があげられていた。

②自宅から鉄道駅・バス停までの距離
自宅から鉄道駅までの距離を表4.1に、バス停までの距離を表4.2に示す。また、参考として、バスサービスハンドブック(土木学会編)による「抵抗を感じない距離帯」について表4.3に示す。あわせて、自宅から最寄の鉄道駅・バス停までの距離別の割合について図4.2に示す。抵抗を感じない距離帯の割合や鉄道・バスの利用圏の割合に着目されたい。
自宅から鉄道駅までの距離について、90%の人が抵抗なしであるとしている距離の割合に着目すると、非高齢者における300m以内の割合は20.3%であり、高齢者における100m以内の割合は7.8%であった。バス停までの距離については、非高齢者が71.5%、高齢者は28.3%であった。一方、国土交通省が利用圏として示している距離帯は、一般的、鉄道駅から500m圏域、バス停から 300m 圏域である。この距離に着目する と、鉄道駅まで 500m 以内の距離の割合は全体で 35.1%であり、バス停まで 300m 以内の割合は全体で 73.0% であることが明らかとなった。

(2)鉄道駅・バス停までの距離と利用頻度

鉄道駅までの距離と鉄道の利用頻度について図 4.3 に示す。利用しない割合に着目すると、500m 以上の距離帯で 80.8%、150m〜200m の距離帯で 72.7%である。一方、100m 以下の距離帯では週 1 回以上利用して いる割合が 29.4%と他の距離帯に比べて高い。次に、自宅からバス停までの距離とバスの利用頻度につい て図 4.4 に示す。利用しない割合に着目すると、150m〜200m の距離帯では 95.5%、300m〜500m の距離帯で 88.9%であった。
以上のことから、鉄道の場合は、100m 以内において週 1 以上の利用率がやや高いが、それ以外について は、利用圏(鉄道:500m 圏内、バス:300m 圏内)であっても利用率が低いことが明らかとなった。したが って、利用のインセンティブとして、距離のメリットはあまり働かないと考えられる。

(3)自家用車の所有率と使用頻度・1日の平均走行距離

主に利用する自家用車の種類について図4.5に示す。非高齢者、高齢者ともに同様の傾向を示しており、ガソリン車の所有率は非高齢者が83.6%、高齢者が84.6%と最も高いことがわかった。ついで、ハイブリッド車が非高齢者11.3%、高齢者11.5%であり、ディーゼル車や電気自動車、水素自動車等の燃料電池車については非常に低い、または0%であった。
自家用車の使用頻度と1日の平均走行距離について図4.6に示す。毎日利用している割合が全体として高いことがわかる。5km未満では66.7%に留まっているものの、その他の距離では79.5%から86.7%となっており、自動車が日常生活で不可欠な存在であることが明らかとなった。

(4)各種交通手段の利用目的

各種交通手段(自動車・鉄道・バス・鉄道)の利用目的について図4.7に示す。人の活動には通勤や通学
といった日常的に固定化された活動と買い物や娯楽など自由度の高い活動がある。これらの目的別に、各種交通手段で差異がみられるかどうかに着目すると、自動車の利用目的は通勤が64.8%、買い物が63.2%と高い割合であった。一方、送迎は26.8%、郵便局等は21.8%であった。これに対し、娯楽については自動車に比べて、鉄道が56.8%、バスが51.9%と高い割合を示した。また、買い物目的で利用する交通手段として、自動車についで自転車が51.9%であることがわかった。

(5)脱クルマ社会の可能性

①福井県における乗用車台数の全国順位の認知度
福井県の世帯当たり乗用車保有台数が全国1位、県民1人当たりの乗用車保有台数が7位であることに関する認知度を図4.8に示す。全体で36.6%であり、60歳以上は46.2%から47.8%と他の年代に比べて高い。しかし、半数には満たず、認知度が高いとはいえない。
全国順位に関する自由記述を見ると、「CO2の排出量が多く環境によくない」「公共交通を充実させて車の使用頻度を減らすべき」等の意見は少数派で、「公共交通が不便であるため仕方がない」「車がないと暮らしていけない」「地域的に仕方がない」「年寄りにとっては車がないと不便である」など現状を「やむを得ない」と考える意見が圧倒的多数を占めた。一方、「賛成」「いいと思う」「当然のことだと思う」「妥当だと思う」「ルールを守って運転すれば良いと思う」「仕事をする人が多いので必要」といった賛同意見や「自宅に駐車スペースが十分確保できる」「女性の社会進出の表れだと思う」等の意見も複数みられた。

②自動車抑制の意識
「環境問題や交通渋滞の解決、公共交通の維持等から自動車を抑制する必要があると考えるか」については、表4.5、図4.9の通りであった。「抑制する必要がある・実行したい・社会としても努力すべき」と回答した割合は、高齢者で46.4%、非高齢者で30.1%、全体平均で33.5%であり、3割強の人がこの考え方を支持していることがわかった。特に高齢者は5割近い人が指示している。
一方、「社会として努力すべきだが自分は難しい」「必要はあるが自分も社会も難しい」と回答した割合は、非高齢者・高齢者いずれも3割程度となっているが、非高齢者の割合がやや高く、社会としては努力すべきでも自分の実行が難しいことを示している。さらに、「必要ない」との回答は、非高齢者で1割近くに上っており、高齢者の1.8%に対して多い。以上のことから、必要性には賛同するが、自分の実行や社会の努力は困難であるとする割合は、非高齢者に高い傾向にあり、必要ないとの回答も含めると、非高齢者の方が、自動車の抑制に対して消極的であることがわかる。

③自動車のCO2排出量減少に向けた行動意識
CO2排出量減少に向けた個人の行動意識を図4.10に示す。「徒歩・自転車圏内であれば自動車利用を控える」という割合は全体の51.4%であり、約5割にとどまっていることがわかる。これは非高齢者・高齢者ともに同様の傾向を示している。一方、「公共交通の利用」は全体で32.7%であり、高齢者の約4割に対して非高齢者は約3割にとどまっている。「エコドライブの実践」はどちらも約3割を示している。「低燃費車・ハイブリッド車」は非高齢者の割合が高く、「電気自動車・燃料電池車」は高齢者の割合が高い。
以上のことから、徒歩や自転車が可能な範囲であっても自動車を抑制したいと考える割合は5割にとどまっており、車の利便性に慣れたライフスタイルや行動習慣を垣間見ることができる。一方、公共交通の利用は、高齢者の方が積極的である。その要因を特定することはできないが、時間的余裕や高齢者ドライバーの事故の多発などいくつかの背景を推察することができる。
次に、自動車の1日平均走行距離別にみたCO2排出量減少に向けた個人の行動意識を図4.11に示す。「徒歩・自転車圏内であれば自動車利用を控える」という割合は、自動車の1日平均走行距離が5km未満の距離帯で62.7%と最も高い。「公共交通の利用」は、5km-10km未満が42.6%と他の距離帯に比べ高いが、50km以上が38.5%、5km未満が33.9%と大差はなく、公共交通の利用は、自動車利用の距離とあまり関係がないことがわかった。
世界的には、500mから5km以下の都市内移動において、自転車が他の交通手段に比べて時間的にも有利とされていることから、徒歩や自転車で移動する環境が向上することによって、5km未満の移動を徒歩や自転車に変更しやすい可能性があり、脱クルマ社会に向けた効果が期待できる。一方、公共交通の利便性向上やニーズに合った運営方法、公共交通と他交通手段との連携強化、スーパーサイクルハイウェイのような自転車専用道路が整備されることによって、クルマに頼らず徒歩や自転車、公共交通で移動できる都市の創造、生活の質の向上が期待できる。
その他、「エコドライブの実践」は、28.8%(5km未満)から46.2%(50km以上)であり、長距離の方が、実践意欲が高いことがわかった。「低燃費車やハイブリッド車」についても、25.4%(5km未満)から44.4%(20km〜50km未満)であり、距離が長い方が、意欲が高いことがわかる。

④環境問題・交通問題に関する意識
環境問題・交通問題への意識について図4.12に示す。1〜10は表4.6の設問項目の番号に対応している。
「とても思う」「ある程度思う」の割合に着目すると、「4交通問題は個人の選択だけではなく、社会全体で取り組むべき問題である。」が94.8%と最も高く、「1自動車利用によるCO2排出は、地球温暖化問題にとって重大である。」が93.7%と続いている。これに対し、「6バス優先ルート・専用車線が有効に利用されるなら、車通勤者は我慢すべき。」(55.3%)、「8CO2排出を抑制するためなら、利便性よりも環境を重視した交通手段を選びたい。」(62.2%)など他に比べるとやや低い割合の項目もみられた。
ここで、問題意識が高いことがうかがえる1および4を目的変数、その他の項目を説明変数として、それぞれ重回帰分析を行い要因解析し、1と4に対する重要な変数(項目)を導いた。4を目的変数とした重回帰分析による問題意識モデル集計結果を表4.7に示し、1を目的変数としたモデル集計結果を表4.8に示す。まず、4についてみると、「3全国有数の車社会である福井県の特性をふまえ、積極的な対策を講じるべき。」と「5公共交通への補助金や建設・維持管理費への援助は、社会的に妥当な施策である。」が1%有意で重要な説明変数として抽出された。次に1では、「2将来の世代や地球環境を重視するならば、緊急な対策が必要である。」と「8CO2排出を抑制するためなら、利便性よりも環境を重視した交通手段を選びたい。」が1%有意で重要な説明変数として抽出された。

⑤公共交通や自転車への転換の決め手となるもの
自動車から公共交通に転換するために有効な条件を図4.13に示す。最も期待される項目は「ダイヤ・運行ルート」で全体の6割が支持している。この割合は、高齢者よりも非高齢者に高く、通勤等で時間的な効率や利便性が重視される現役世代にこの傾向が強い可能性があることが推察される。ついで「運賃」「最寄駅やバス停までの距離」があげられているが、非高齢者にこの傾向が強く、通勤等の利便性や毎日利用する上での費用なども影響している可能性が考えられる。

次に、前途した環境・交通問題に関する意識の9および10において、「とても思う」「まあまあ思う」と回答した人が自動車から公共交通や自転車に転換するための有効な条件として挙げた項目を図4.14および図4.15に示す。まず、公共交通への利用・転換に有効な条件として、ダイヤや運行ルートが61.9%と最も高く、運賃が40.6%、最寄駅・バス停までの距離が34.7%と他の項目に比べ高いことが明らかとなった。これらの傾向は、図4.13の分析と同様の結果を示しており、9、10に限定されるものではないことがわかった。

次に、自転車への利用・転換に有効な条件として、通行空間の整備と連続性(自転車通行空間のネットワーク化)が51.5%と最も高く、駐輪場の安全性が26.2%と他の項目に比べ高いことが明らかとなった。また、公共交通への容易な積載が20.9%であるとともに、鉄道駅やバス停における駐輪場整備が16.5%から18.4%であり、コミュニティサイクルの普及の10.7%より高いことがわかった。これらのことから、コミュニティサイクルでの移動よりもマイチャリでの移動かつ公共交通との連携を望む傾向にあることが推察される。

(6)高齢者の運転免許自主返納の可能性

①自主返納の予定
運転免許の自主返納に関する高齢者の意識について図4.16に示す。「当分の間、返納しない」という割合は70.0%であった。一方、現在悩んでいる割合が6.0%、具体的に検討している割合が24.0%であった。約4人に1人が具体的に返納を検討しているが、7割は当分の間、返納予定がない結果となった。

②自主返納の理由
運転免許の自主返納理由について図4.17に示す。最も高い割合を占めたのは、「高齢者事故の多発」であった。ついで、「視力や判断力など身体の衰えを感じ始めた」といった身体的衰えが40.0%、「運転に自信がなくなった」が26.7%であった。「公共交通等の優遇が受けられる」は13.3%、「家族からの勧め」と「実際にブレーキとアクセルを間違う、車をぶつけるなど問題が発生した」は6.7%であり、自動車の車検が切れるタイミングでの自主返納は0%であった。

③希望する自主返納後のサービス
運転免許の自主返納後に高齢者が望む支援・サービスを表4.9に示す。乗合タクシーやコミュニティバス、タクシーの割引などの移動支援が53.3%と最も高く、鉄道や路線バス等の公共交通機関の発達が44.4%、移動販売や宅配サービス等の買い物支援が42.2%を占めた。割引制度などの情報提供については6.7%であった。

 

第5章 考察

1)本県における車の必要性(送迎の観点から)について

車の必要性について送迎の観点からみると、送迎の必要な家族がいる割合が38.9%、自動車利用の目的として送迎をあげた人が26.8%であった。具体的には、父親や母親の通院、買い物の送迎、子どもの幼稚園、保育園、習い事の送迎が多く見受けられ、配偶者のための送迎、孫の学校の送迎といった記述もあった。
世帯あたり自動車保有台数の全国順位に関する意見では、「車がないと生活できない」「車がないと年寄りにとっては不便」「高齢者が多く公共交通が発達していないのでやむを得ない」等の考えが示され、送迎の必要性が車利用につながっていることがわかる。
しかしながら、送迎の代替手段としてバスや自転車、タクシー、子どもの友人の保護者の送迎等があげられており、工夫の余地があると考えられる。

2)自動車保有台数の全国順位に関する考え方について

自動車保有台数の全国順位が高いことに関する認知度は、全体平均で36.6%、60歳以上では46.2%から47.8%と他の年代に比べて高いこと明らかとなった。しかし、半数には及ばず、県民の認識として高いとはいえないことがわかった。
全国順位に関する自由記述をさらに分析すると、「土地柄仕方がない」「公共交通が十分でない為、いたしかたない」「車社会からの脱却は困難、インフラ整備が困難」「郊外にショッピングセンター等があるので仕方がない事だと思う」「人口が少なく公共交通の維持が困難な地域なので仕方ない」「町の作りの問題なので仕方ない」など「やむを得ない」とする考え方が圧倒的に多く、「賛成」「良いと思う」「居住地の環境、家族環境をふまえると妥当だと思う」「家から街まで距離があるので当然の事と考えている」等も含めると多数の回答者が「仕方がない」「妥当である」「良いことである」と考えていることがわかった。
しかしながら、「ちょっと多いと思う」「CO2の排出量が多く環境によくない」「車ばかりを使って、他の交通手段を使うことに気がつかないのは残念」「公共交通機関を充実させて、車の使用頻度を減らすべき」等の意見も見られ、車社会に対する問題意識の存在も明らかとなり、今後、CO2排出抑制に向けた県民意識をどのように喚起していくかが課題と考えられる。

3)鉄道駅・バス停までの距離と利用頻度の関係性について

国土交通省が利用圏として用いる距離帯は、鉄道駅から500m、バス停から300mであるが、本調査では、鉄道駅まで500m以内に居住する割合は全体で35.1%、バス停まで300m以内は全体で73.0%であった。これを利用頻度との関係で分析すると、鉄道では100m以内の居住者において週1以上の利用率がやや高いが、それ以外については、利用圏(鉄道:500m圏内、バス:300m圏内)であっても利用率が低いことが
明らかとなった。従って、利用のインセンティブとして、距離のメリットはあまり働かないと考えられる。以上のことから、公共交通への転換の決め手として、駅や停留所までの距離は、有利な条件となりにくい
と推察され、インセンティブをあげていくには、他の条件を充実していくことが重要であると考えられる。

4)自動車利用抑制に関する意識について

「環境問題や交通渋滞の解決、公共交通の維持等から自動車を抑制する必要があると考えるか」との問いに対して、「抑制する必要がある・実行したい・社会としても努力すべき」と回答した割合は、高齢者で46.4%、非高齢者で30.1%、全体平均で33.5%であり、3割強の人が支持していることがわかった。
一方、「社会として努力すべきだが自分は難しい「」必要はあるが自分も社会も難しい」と回答した割合は、高齢者・非高齢者いずれも3割程度であり、非高齢者の割合がやや高いことがわかった。さらに、「必要ない」との回答は、非高齢者で1割近くに上っており、高齢者の1.8%に対して多い。
以上のことから、「必要性には賛同するが、自分の実行や社会の努力は困難である」「必要ない」とする割合は、非高齢者に高い傾向にあり、非高齢者の方が、自動車の抑制に対して消極的であることがわかる。しかしながら、「抑制する必要があり、自分も実行したい、社会としても努力すべき」と考えている人が3割強存在することに注目すべきであり、社会的気運を醸成するとともに、具体的な実行策の提示や支援のための社会環境を整備することが重要であると考えられる。これらにより、「自分では難しい」「社会的にも難しい」と考える層をも巻き込んでいく可能性が存在すると考えられる。

5)自動車のCO2排出量減少に向けた行動意識について

「徒歩・自転車圏内であれば自動車利用を控える」割合は全体の51.4%であり、約5割にとどまっている。これは非高齢者・高齢者ともに同様の傾向を示している。一方、「公共交通の利用」は全体で32.7%であり、高齢者の約4割に対して非高齢者は約3割にとどまっている。
以上のことから、徒歩や自転車が可能な範囲であっても自動車を抑制したいと考える割合は5割にとどまり、車の利便性に慣れたライフスタイルや行動習慣をどのように変えていけるかが課題であることがわかる。公共交通の利用意識は、高齢者の方が積極的である。その要因を特定することはできないが、時間的余裕や高齢者ドライバーの事故の多発などいくつかの背景を推察することができる。非高齢者・高齢者ともに、公共交通の利用促進を図っていくためには、これらの要素をふまえた啓発や環境整備が重要であると考えられる。
一方、行動意識を自動車の1日平均走行距離別にみると、「徒歩・自転車圏内であれば自動車利用を控える」という割合は、自動車の1日平均走行距離が5km未満の距離帯で62.7%と最も高いことがわかった。世界的には、500mから5km以下の都市内移動において、自転車が他の交通手段に比べて時間的にも有利とされていることから、徒歩や自転車で移動する環境が向上することによって、5km未満の移動を徒歩や自転車に変更しやすい可能性があり、脱クルマ社会に向けた効果が期待できることから、利用距離の短い層を対象とした重点的な働きかけが重要であると考えらえる。
一方、公共交通については、利便性向上やニーズに合った運営方法、公共交通と他交通手段との連携強化、スーパーサイクルハイウェイのような自転車専用道路が整備されることによって、クルマに頼らず徒歩や自転車、公共交通で移動できる都市の創造、生活の質の向上が期待できる。
以上の他、「エコドライブの実践」は、28.8%(5km未満)から46.2%(50km以上)であり、長距離の方が、実践意欲が高いことがわかった。「低燃費車やハイブリッド車」についても、25.4%(5km未満)から44.4%(20km〜50km未満)であり、距離が長い方が、意欲が高い。したがって、長距離利用者層に対して、エコドライブの講習を行うなどターゲットを明確にした重点的な対策が重要であると考えられる。

6)公共交通、自転車への転換に有効となる条件について

自動車から公共交通に転換するための条件として最も期待される項目は「ダイヤ・運行ルート」で、全体の6割であった。この割合は、高齢者よりも非高齢者に高く、通勤等で時間的な効率や利便性が重視される現役世代にこの傾向が強い可能性があることが推察される。
自転車の利用・転換に有効な条件としては、「通行空間の整備と連続性(自転車通行空間のネットワーク化)」が51.5%と最も高いことがわかった。「駐輪場の安全性」が26.2%、「公共交通への容易な積載」が20.9%、「鉄道駅やバス停への駐輪場整備」が16.5%から18.4%であり、移動の安全性、利便性、および公共交通との連携を望む傾向があることがわかった。
以上のことから、公共交通や自転車への転換を促していくためには、効率よく利用できる環境(ダイヤ・運行ルート)、安全性と利便性(自転車通行空間のネットワーク)、公共交通と自転車との連携体制(駐輪場の整備、電車への積載等)が重要であると考えられる。

7)環境問題・交通問題に関する意識について

環境問題・交通問題について1〜10それぞれの傾向を見ると、支持率に差はあるが、多くが8〜9割に達しており、全項目において5割を超えていることは大きく評価できる。特に、「4交通問題は個人の選択だけではなく、社会全体で取り組むべき問題である」が94.8%、「1自動車利用によるCO2排出は、地球温暖化問題にとって重大である」が93.7%と極めて高く、ついで、「9公共交通の利便性が向上すれば、積極的に公共交通を利用したい。」「2将来の世代や地球環境を重視するならば、緊急な対策が必要である。」「5公共交通への補助金や建設・維持管理費への援助は、社会的に妥当な施策である。」など、いずれも9割に近い支持率を示している。
そして、1および4について、重回帰分析を行い要因解析した結果、1と4に対する重要な変数(項目)が導かれた。4を目的変数とした重回帰分析では、「3全国有数の車社会である福井県の特性をふまえ、積極的な対策を講じるべき。」「5公共交通への補助金や建設・維持管理費への援助は、社会的に妥当な施策である。」が重要な説明変数として抽出され、1では、「2将来の世代や地球環境を重視するならば、緊急な対策が必要である。」「8CO2排出を抑制するためなら、利便性よりも環境を重視した交通手段を選びたい。」が重要な説明変数として抽出された。
このことは、交通問題は社会全体で取り組むべきであり、そのために全国有数の車社会である本県の特徴をふまえた積極的な対策をとる必要があること、公共交通への財政的な援助を行うことも社会的に妥当であること、一方、自動車によるCO2排出は地球温暖化にとって重大であり、将来の世代や地球環境のために緊急な対策が必要であること、CO2排出を抑制するためなら利便性よりも環境を重視した交通手段を選ぶ意志があることを意味している。
以上のことから、県民は、自動車利用によるCO2排出と地球温暖化問題、将来の世代への影響などを認識するとともに、これらの解決のために、個人および社会全体として取り組むべきであること、また、全国有数の車社会である本県の特徴をふまえた積極的な対策をとるべきであり、そのためには、公共交通への財政的な援助を含めた支援、利用のための環境整備が重要であること、そして、これらの充実が図られれば、積極的に利用したいと考えているといえる。
したがって、こうした県民意識を捉え、具体的な施策に結びつけるとともに、県全体の社会問題として、より多くの県民がこれらの問題に触れ、認知し、行動変革や公的な財政負担への賛同などへとつなげていくことのできる方策を講じていくことが重要であると考えられる。

8)高齢者の運転免許自主返納の可能性について

運転免許の自主返納については、4人に1人が具体的に返納を検討していることがわかった。その理由は、「高齢者事故の多発」が最も多く、「視力や判断力など身体の衰えを感じ始めた」といった身体的衰えや「運転に自信がなくなった」が続く。「実際にブレーキとアクセルを間違う、車をぶつけるなど問題が発生した」人は6.7%みられ、返納の重要性、必要性が迫っていることがうかがえる。返納を促進する方法として、乗合タクシーやコミュニティバス、タクシーの割引などの移動支援を望む声が最も高く、鉄道や路線バスなど公共交通機関の発達、移動販売や宅配サービス等の買い物支援が続いた。
以上のことから、自主返納を検討している高齢者が少なくないことから、返納後の移動を支援する具体的な制度やサービスをさらに充実していくとともに、これらの情報を広く高齢者に周知し、返納にあたってのアドバイスや家族も含めた相談体制等の支援が重要であると考えられる。特に、本県が全国有数の車社会であることについて、高齢者の生活不便や家族の送迎の問題などが指摘されていたことから、こうした問題の解決を地域ごとの特徴をふまえて推進していくことが重要であると考えられる。さらに、7割は当分の間返納する予定がないと答えているが、実際に事故が発生したり、家族が返納を勧めたりしている状況を鑑みると、返納後のサービスや相談体制を充実させることで、安心して返納できる環境を提供することが重要である。

 

第6章 おわりに

本県が全国有数の車社会であることから、CO2排出による地球温暖化への影響が懸念される中、県民は、人口密度の低さにより公共交通が発達しづらいことや高齢化等による送迎の必要性など様々な要因から「やむを得ない」と考える傾向が大変強く、さらに、自動車交通の発達は「良いことである」「妥当である」とする意見もみられた。実際に、通勤や通学、通院、その他の様々な場面で車が不可欠であることは事実である。特に、非高齢者層は、通勤等の利便性から車の利用が重要視されている。しかしながら、一方で、自動車利用による地球温暖化への影響や将来の世代にもたらす影響について回答者の9割以上が支持を表明しており、1本県の特性をふまえた積極的な対策が重要であること、2個人の選択だけでなく社会全体の問題として扱うべきであることなど、9割近い支持が示されている。そして、公共交通への財政支援等の重要性、公共交通や自転車が使いやすい環境になれば積極的に利用したいことなどが示されている。
したがって、上述した通り、こうした県民意識を捉え、具体的な施策に結びつけるとともに、県全体の社会問題として、より多くの県民がこれらの話題に触れ、認知し、例えば近距離は徒歩や自転車を選ぶ、エコドライブを実践する等の行動変革や公共交通への公的な財政負担への賛同などへとつなげていくことが重要である。
また、今後ますます進む人口減少と人口密度の低下は、都市インフラの整備・維持負担を増していくことは必至であり、コンパクトシティ化など都市計画と一体となった政策も重要である。さらに、一層高齢化が進む中で、交通弱者や高齢者ドライバーの事故が増えることを回避する必要があり、公共交通の充実とともに、運転免許自主返納を促進するための制度やサービスの充実、周知・相談等も含めた諸施策が急務といえる。
県民は、全国有数の車社会であることを「仕方がない」としつつも、地球レベルの環境問題やローカルレベルの交通問題について、解決をめざすための問題意識を強く持っていることがわかった。より多くの県民にこうした事柄を周知し、自動車利用抑制の意識を醸成していくことが重要である。そして、1県民ができること、2行政が行うべきこと、3民間事業者が努力することについて対話を重ね、具体的な前進をめざすことが期待される。

 

謝辞

本調査は、平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(地域における地球温暖化防止活動促進事業、根拠法:地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)をもとに実施しました。調査を実施するにあたり、福井工業大学工学部建築土木工学科交通計画研究室(代表吉村朋矩氏)に委託し、調査用紙の設計、調査の実施、集計・分析等の一連の作業において、協議しながらともに作業を進めてきました。ここに、記して謝意を表します。また、アンケート調査の実施にあたり、実施場所として各公民館、福井街角放送、環境フェア等のイベント会場、商工会議所、研修会や出前講座の主催者など多くの関係機関、関係者の方々にお世話になりました。そして、アンケートの回答にご協力いただいた県民の方々にも大変お世話になりました。あわせてここに記し、厚くお礼申し上げます。
 

報告書はこちら

 

平成28年度 家庭のCO2排出実態調査&ミッドナイト節電報告

2017/2/20(月)

1. 家庭のCO2排出実態調査

1)今年度は昨年度に引き続き、二世帯家族(三世代同居)も含めて調査を行った。

2)調査の方法

対象:

子育て層(18未満の子供がいる家庭)家族を調査対象とし、今後、エネルギー消費が増えたり、家族状況が変わっていく世帯のCO2排出実態を調査し、特徴を分析することによってその対策を探る。

モニター:

61世帯(ただし、データ有効モニターは56世帯)調査員:地球温暖化防止活動推進員等9名調査内容:エネルギー消費量、エコライフ意識調査、家電と設備の調査、住宅の省エネ度調査

すすめ方:

モニター募集(6〜8月)調査票の配布と説明:調査員がモニター家庭を訪問して、調査票を配布し説明を行う。
9月・・・エネルギー消費量と意識調査
10月・・・家電と機器の調査
1月・・・住宅の断熱性能調査と室内温度測定家電と設備調査:照明、エアコン、冷蔵庫、テレビ、給湯器、自動車等の仕様等住宅省エネ度調査:居間の温度(床上120cm)の変化と外気温の差によって住宅の断熱性能Q値の推測値を算定する。また、「住宅の省エネ性能の推定表」により調査。

2. ミッドナイト節電の取組

1)これまでの家庭のCO2排出実態調査から、深夜電力契約家庭のCO2排出量が多くなっていることがわかり、今年度、深夜電力についての状況調査とミッドナイト節電の実験的取組を行った。

2)深夜電力アンケート調査
深夜電力機器の普及がすすむなかで(北陸電力地域深夜電力契約率26.5%)、これらの機器は運転が自動であることから、節電に取り組むことが可能なのか、節電効果が期待できるのかをアンケート調査した。
調査月:2016年7月調査方法:福井県内(福井市、坂井市、鯖江市)スーパーマーケット店頭や福井市内イベント会場での聞き取り調査(深夜電力契約者だけに依頼)
回答数:270人

3)ミッドナイト節電チャレンジ
アンケート回答者から節電チャレンジャーを募り、取組後、報告書と検針票を送付。節電チャレンジャーは、深夜電力機器の状況(設定など)を確認して、節電チャレンジ項目を決め取り組む(2016年12月)。
節電チャレンジャー:11軒(内報告書集計軒数10軒)

 


 

属性

  1. 家の造り:一戸建て46軒、集合住宅10軒
  2. 太陽熱温水器利用1軒、太陽光発電利用12軒
  3. 家族構成:親子家族25軒、二世帯家族9軒
  4. 世帯人数

 



調査結果

1. エネルギー消費量・CO2排出量

1世帯あたりの平均エネルギー消費量は以下のようになり、平均世帯人数は4.18人(昨年4.13人)、年間CO2排出量は7,735kg(昨年8,404kg)であった。昨年と比べると、電気や深夜電力は微増で、太陽光発電が2.5倍程度(設置世帯が12軒、21%)に伸び、ガスは3割程度落ちている。
エネルギー別のCO2排出量は、ガソリン、深夜電力、通常電気の順となった。これら3つで95.3%となっている。この調査は、子育て層が対象となっており、電気への依存度が高いことがわかる。また、深夜電力契約が39軒(69.6%)あり、その中で蓄熱暖房の家庭が12軒(21.4%)のため、冬期の深夜電力消費が大きくなっている。今年の調査では太陽光発電売電量も大きくなって、構成比グラフから外して円グラフにした。CO2排出量の分析は、昨年と同様に5つの類型別に行った。
1人当たりCO2排出量では、「エコキュート」が一番少なく、「集合住宅」は、ガソリンによるCO2が大きく、「一戸建て・非オール電化」よりも多くなった。

「集合住宅」が世帯当たりのCO排出量が少ないのは今回の世帯人数が少ないことが要因であるが、本来、エネルギー効率は良いはずである。1人当たりCO2排出量が少なくないのはガソリンが他世帯と変わりないためであり、家族3人でも2台の自動車が必要な福井の特徴である。今回調査の「一戸建て・非オール電化」は電気消費量が多い傾向となっている。また、「エコキュート」「蓄暖」は昨年より電気と深夜電力の消費量が少ない傾向となっており、太陽光発電によるCO2削減も影響している。太陽光発電を設置した場合、売電量の1/2程度を自家消費しているので、その分、昼間の電気消費量が少なくなる。

「電気温水器」は、夏冬ともに深夜電力が大きくなって年間1人当たりCO2排出量を押し上げている。「蓄熱」は、冬期の深夜電力が大きくなっているが、全世帯がエコキュートのため夏期は少なくなっている。

家庭内のCO2排出量として自動車燃料以外を合計すると前ページの表になる。左のグラフで月別の推移を見ると、「電気温水器」は1年中一番多くなっているのに対して、「蓄暖」は冬期は多いが夏期は少ない。

用途別消費熱量を省エネルギーセンター「家庭の省エネ診断」に基づいて算出すると、給湯で「電気温水器」、暖房で「蓄暖」が他より飛びぬけて多くなっている。このことは昨年も同じ結果となっており、ムダなエネルギーを使っていることにならないだろうか。「エコキュート」「蓄暖」の電灯・家電が少ないのは太陽光発電の自家消費によることも考えられる。
エコキュートはエネルギー効率が電気温水器の3倍あると言われている。今回の調査では、「エコキュート」の深夜電力は「電気温水器」に比べて少なくなって、40%にとどまっている。また、給湯の消費熱量も45%にとどまっていることから、1/3にはならないが半分以上のCO2排出量削減につなげることができることを示している。

2. 電気温水器とエコキュート

エコキュートはエネルギー効率が電気温水器の3倍あると言われている。今回の調査では、「エコキュート」の深夜電力は「電気温水器」に比べて少なくなって、40%にとどまっている。また、給湯の消費熱量も45%にとどまっていることから、1/3にはならないが半分以上のCO2排出量削減につなげることができることを示している。

3. 住宅断熱性能とCO2排出量の相関関係

住宅の断熱性能を省エネルギーセンター作成の「住宅の省エネ性能の推定表」に基づき算定し、太陽光発電家庭を除き、「電気+深夜電力+ガス+灯油」によるCO2排出量との相関関係を見たが、散布図から明らかなように断熱性能が良くてもCO2排出量は必ずしも少なくはない結果となった。機器の使い方や暮らし方によるところが大きいのだが、住宅の省エネ化が26%削減実現の大きな対策となっている以上、もっと要因分析を行う必要がある。
左のグラフは、エコキュート家庭18軒の内5軒が太陽光発電を設置している設置していない家庭の自動車燃料以外の1人当たりCO2排出量を家族人数毎の平均でグラフにした。太陽光発電設置家庭はCO2排出量が少ないことがわかる。

4. 住宅の照明機器調査

今回の調査では、省エネルギーセンター「家庭の省エネ診断」に基づき照明機器の状況調査を行っている、LEDへの切り替えがどの程度進んでいるかを集約した。集約方法は、各部屋の主照明と補助照明がLED・蛍光灯・白熱電球のどれを使っているかを調べて、標準W数と標準点灯時間からLED比率等を算出した。比率の結果は下の表の通りで、全体のLED比率は19.3%であった。標準点灯時間から試算すると、LEDに切替えることによって、照明の30%(1世帯あたり211kWh)が削減できることになる。1世帯当たりの年間CO2削減量は122kgとなる。

5. 家計調査年報データから分析

昨年度、総務省の「2015年家計調査年報」から県庁所在地の中で福井市が電気使用量全国一であることを報告した。今回はさらにCO2排出量等を算出して10年間の推移を見た。
まず、以下の6市の2005年と2015年の1人当たりCO2排出量、消費熱量を比較した。家計調査年報では都市ガスの購入数量がわからず支出金額だけなので6市それぞれの消費量20m3の金額から単価を算出して購入数量を計算した。その結果、福井市は、10年間で熱量は15.4%削減できているがCO2排出量は2%の削減にとどまっている。また、富山市、金沢市よりCO2排出量が少ないが新潟市より多くなっている。
そして、電気と[ガス+灯油]の消費熱量の推移は2007年から逆転し、電気がどんどん多くなって、[ガス+灯油]は減少が激しくなっている。従って、熱量の消費が電気に替わりながら消費熱量は削減できているのに対し、CO2は削減幅が少ないと言える(グラフ19)。その他、2011年と2012年は原発事故の影響で電気が下がり、[ガス+灯油]が増えている。
深夜電力とその他電力の10年間の伸びのグラフは、確かに深夜電力(主に給湯に使われる)も伸びているが、それ以上にその他電力が急激に伸びており深夜電力以外で使われる電気が10年間で24%の伸びを示している。

それでは、電気製品やエコキュートなどがどのように買われているのかを調べるために、家計調査年報で設備器具(給湯機器など)と家庭用耐久財(電気製品が中心)の支出金額を調べた。給湯機器が含まれる設備器具の支出額は10年間で70%以上伸びている。これはエコキュートの普及が考えられる。電気製品が中心の家庭用耐久財の中で冷蔵庫とエアコンは伸びており、省エネ型への買い替え需要も影響していると思われる。それ以外の伸びが電気消費量の伸びに関係しているのかと考えて推移を見た。2009年までは25,000〜30,000円と大きな金額になっているが、それ以降は減少している。家電エコポイント制度が2009〜2010年度実施だから省エネ家電購入にシフトしているとも言える。ただ色々な電気製品が購入され、電気消費量が増えていると言えるのではないか。

 


 

ミッドナイト節電の取り組み

福井県は深夜電力契約の家庭が多いことから、昨年に引き続き深夜電力に関するアンケート調査を行い、深夜電力の節電チャレンジに取り組んだ。今年度は、スーパーマーケット調査を鯖江市や坂井市に広げ、さらにイベント会場でもアンケート調査を実施した。


深夜電力アンケート結果

1. 次の深夜電力危機で使用しているのはどれですか?設置から何年経過していますか?

深夜電力契約の家庭でエコキュートは71%を占め、その内67%(130人)が6年以内の設置となっている。一方、電気温水器を6年以内に設置した人も11人で電気の給湯器の7.8%が省エネ型以外を設置していることになる。

2. 北陸電力が注意を促している項目を確認していますか?

3. 蓄熱暖房器の節約状況

4. 夏と冬の1ヶ月おおよその電気料金

5. エコキュート家庭と電気温水器家庭の電気料金(夏冬平均)

エコキュート家庭16,200円電気温水器家庭16,201円今回のアンケートでは、エコキュートは消費電力が少ないにもかかわらず電気料金の差は検証できなかった。CO2実態調査では明らかに差が出ている。(4ページ参照)

6. 蓄熱暖房器家庭の冬の電気料金

蓄熱暖房機家庭:23,948円
それ以外の家庭:16,360円
蓄熱暖房器家庭は、それ以外の家庭に比べて平均46%冬の電気料金が高くなっていた。

 

ミッドナイト節電チャレンジの結果

ミッドナイト節電に取り組んだモニターで検針票が届いた人は10名で、その内5名が昨年よりも電気使用量が下がっていた。下表は、下がった家庭の取り組み内容とその結果である。


取組後の主な感想

・蓄暖が思いのほか電気量が増すことを知った。夜間電力は減ったが、朝・昼が増えていたので気をつけたい。
・2日に1回のお湯はりの場合、湯量少なめにすると、浴槽にお湯をはる時、即、沸き上げになるのでお湯はりの時だけ、深夜沸き上げにしておく必要があった。
・深夜電力は安いので、節電の必要性を強く感じない。

取組結果に対する考察

・深夜電力の節電に関心が高くなったという意見が多く、確かに電気料金は安いが、深夜電力の節電にも目を向ける必要がある。
・蓄熱暖房器の節電チャレンジは成果が出たと思われるし、節電方法も単純なことからさらに啓発することが重要である。
・給湯器では節電できなかった人もあり、その家庭の使い方など状況に応じた設定方法を考えることや、エコキュートに向く使い方を明らかにすることが必要である。

 



まとめ

「家庭のCO2排出実態調査」は、子育て家族を中心に家庭のCO2排出実態を調べることによって、福井県のエネルギー消費やCO2排出の特徴を捕まえて、CO2排出量削減をどのようにすすめていくことが重要かを示すためにスタートした。今回は、昨年度までの分析の傾向がそのまま当てはまるのかを検証しつつ、さらに家計調査年報の分析を行ってその特徴を掘り下げることを試みた。以下は、今回の調査でわかったことをまとめる。

  1. 平均世帯人数は4.18人(昨年4.13人)、1世帯あたり年間CO2排出量は7,735kg(昨年8,404kg)、1人当たりCO2排出量1,851kg(昨年2,035kg)であった。
  2. 5つの類型別1人当たりCO2排出量は、「オール電化・電温・蓄暖なし」(2,948kg)が一番多く、「オール電化・エコキュート・蓄暖なし」(1,617kg)が一番少なかった。
  3. 用途別消費熱量は、「給湯」で電気温水器家庭、「暖房」で蓄熱暖房家庭が突出して多く、使う前に(深夜に)熱を作ることから余分な熱を作ってしまうことが他類型と比べて明らかである。また、深夜電力が安いから気にしないというマイナスの面を持っている。
  4. 太陽光発電家庭を除いた住宅断熱性能とCO2排出量の相関関係は、相関関係がない結果となり、快適であるが消費熱量を減らす暮らし方やCO2排出量の削減の別方策を考える必要がある。省エネ住宅の普及やリフォームだけではCO2排出量は減らない。
  5. 太陽光発電設置が増えていることから、エコキュート家庭で設置していない家庭とCO2排出量を比較したが、売電がマイナスになることも含めて、CO2削減の大きな手段であることを再確認できた。
  6. エネルギー消費が電気にシフトしていることから、福井県でのCO2削減対策は、電気とガソリンに特化して行う必要がある。
  7. エネルギー消費が大きく電気にシフトしているのに対して、エネルギー消費量(熱量)は減っているがCO2排出量はほとんど減っていない傾向がある。CO2排出量を大幅に削減していくことは2030年の26%削減にとどまらずそれ以降もさらに削減が必要である。電気を熱として利用することから、ガス・灯油の効率的な利用や木質バイオマス利用を検討する必要がある。
  8. 電気消費量の中で、深夜電力も増えてはいるが、それ以上にその他の電気消費量が増えている。

 

ミッドナイト節電の取組から

  1. 深夜電力契約をしている家庭の中で、電気温水器27.8%、蓄熱暖房器28.5%使用している。
  2. エコキュートも含めて深夜電力機器は前日に電気を使ってしまうので、効率的な使い方や生活スタイルがそれに合う暮らし方を明確にして、設置が有効かの判断ができるようにする必要がある。
  3. 3電気温水器は、エコキュートへの切り替えをすすめる必要があるし、白熱電球のように製造中止を求める。
  4. 4現在設置している家庭では、効率的な使い方で大幅な節電ができる家庭があることはこの2年間の取組でわかったので、設定の変更によって削減できる家庭を増やす取組が必要である。

 

さらに調査が必要な事項

  1. 電気消費量が増えている真の原因は何かを突き止めること。
  2. 電気温水器やエコキュートの設定変更が節電につながる家庭はどのような使い方をする家庭かを明らかにすること。
  3. 住宅の高断熱とCO2削減が両立していない原因は何かを突き止めること。

 

参考資料

  1. 「家庭の省エネ診断」(省エネルギーセンター)
  2. 「住宅の創エネ性能の推定表」(省エネルギーセンター)
  3. 総務省「家計調査年報」2005年〜2015年

 

報告書はこちら

 

 ふくい温暖化防止センター facebook
講師派遣
ちょっとエコなおはなし
COOL CHOICE 賛同
クールチョイス賛同
クールチョイスなお話
エコチャレふくい
太陽光発電普及協議会
ふくい市民共同節電所コンソーシアム
小水力発電
ふくいソーラー市民ファンド
未来のために、いま選ぼう。
全国地球温暖化防止活動推進センター
LOVEアースふくい
エコプランふくい
(c) 福井県地球温暖化防止活動推進センター all rights reserved.
Powered by cheltenham software